Omeka.netは、デジタルコレクションを簡単に構築・公開できるホスティング型のウェブサービスです。Roy Rosenzweig Center for History and New Media(RRCHNM)が開発・運営しており、Omeka Classicをベースにしたクラウドサービスとして提供されています。本章では、Omeka.netの概要と特徴について解説します。
Omeka.netとは
Omeka.netは、サーバーの構築や管理を必要とせず、ブラウザ上でデジタルコレクションを作成・公開できるサービスです。博物館、図書館、文書館(GLAM機関)のほか、研究者や教育者が個人でデジタルアーカイブを構築する際にも広く利用されています。
主な用途には以下のようなものがあります。
- 研究プロジェクト: 収集した資料のデジタルアーカイブ化
- 教育: 学生による歴史資料のキュレーション演習
- 展示: オンラインでの資料展示や解説の公開
- アーカイブ: 地域の歴史資料や写真のデジタル保存
Omeka Classicとの関係
Omeka.netは、オープンソースソフトウェアであるOmeka Classicのホスティング版です。Omeka Classicを自分のサーバーにインストールして使う場合と比較すると、以下のような違いがあります。
| 項目 | Omeka.net | Omeka Classic(自己ホスティング) |
|---|---|---|
| サーバー管理 | 不要 | 必要 |
| 初期費用 | 無料プランあり | サーバー費用が必要 |
| プラグイン | プランに応じて制限あり | すべてのプラグインを自由にインストール |
| テーマ | 提供されたテーマから選択 | 自由にカスタマイズ可能 |
| ストレージ | プランに応じた容量制限 | サーバーの容量次第 |
| 独自ドメイン | 有料プランで対応 | 自由に設定可能 |
Omeka ClassicとOmeka Sの機能的な違いについては、Omeka ClassicとOmeka Sの違いや、Omeka ClassicとOmeka S: 機能と違いの比較(GPT-4による解説)を参照してください。
Omeka SとOmeka Classicの違い
Omeka.netはOmeka Classic(旧バージョン)に基づいています。一方、Omeka Sは後継バージョンであり、より高度な機能を備えています。
Omeka Classicの特徴
- シンプルな構造: 1サイト=1インストール
- Dublin Core標準: メタデータはDublin Coreを中心に管理
- プラグイン方式: 機能拡張はプラグインで行う
- テーマ: 豊富なテーマが利用可能
- 使いやすさ: 学習コストが低く、直感的な操作が可能
Omeka Sの特徴
- マルチサイト: 1インストールで複数サイトを運営
- リンクトデータ対応: RDFに基づく柔軟なメタデータ管理
- モジュール方式: より拡張性の高いモジュールシステム
- REST API: 充実したAPIを標準搭載
- IIIF対応: 国際的な画像相互運用フレームワークへの対応
より高度な機能が必要な場合はOmeka Sの使用を検討してください。本書の姉妹編「Omeka Sの使い方」で詳しく解説しています。
Omeka.netの基本概念
Omeka.netで扱う主要な概念は以下の通りです。
アイテム(Items)
アイテムは、Omeka.netにおけるデータの基本単位です。一つのアイテムは、文書、画像、音声、動画など、一つのデジタルオブジェクトを表します。各アイテムにはDublin Coreメタデータとファイルを関連付けることができます。
コレクション(Collections)
コレクションは、関連するアイテムをグループ化するための機能です。例えば、「明治期の写真」や「古文書コレクション」といったカテゴリでアイテムをまとめます。
タグ(Tags)
タグは、アイテムに付与する自由形式のキーワードです。タグクラウドやタグ検索を通じて、アイテムの発見性を向上させます。
展示(Exhibits)
展示は、アイテムを使って物語やテーマに沿ったオンライン展示を作成する機能です。テキストと画像を組み合わせた解説ページを作成できます。
シンプルページ(Simple Pages)
サイトに静的なページを追加する機能です。「このサイトについて」や「お問い合わせ」などのページを作成できます。
管理画面の構成
Omeka.netにログインすると、ダッシュボードが表示されます。主なメニュー項目は以下の通りです。
- アイテム: アイテムの一覧表示、追加、編集、削除
- コレクション: コレクションの管理
- アイテムタイプ: アイテムのタイプ定義
- タグ: タグの管理
- 展示: 展示の作成と管理
- プラグイン: プラグインの管理(プランに応じて利用可能)
- 外観: テーマの選択と設定
- ユーザー: ユーザーの管理
- 設定: サイトの一般設定
Omeka.netの活用事例
Omeka.netは、デジタルヒューマニティーズの分野で広く活用されています。以下のような活用例があります。
- 大学の授業での資料展示プロジェクト
- 地域史の記録とオンライン公開
- 研究資料のデジタルアーカイブ
- 小規模な博物館のオンラインコレクション
Omeka.netの使い方に関するまとめ記事については、Omeka.net(Classic)の使い方を説明するまとめ記事とZennの本を作成しました。や、まとめ記事:Omeka.net(Classic)の使い方を参照してください。