IIIFとOmeka S

IIIF(International Image Interoperability Framework)は、デジタル画像をWeb上で相互運用可能な形で公開するための国際標準フレームワークです。Omeka SはIIIFとの親和性が高く、モジュールを導入することで強力なIIIF対応を実現できます。

筆者はIIIFとOmeka Sの連携について非常に多くの記事を執筆してきました。本章では、それらの実践経験を踏まえて体系的に解説します。

Omeka SにおけるIIIF連携は、主に以下の3つの側面で行われます。

  1. IIIFマニフェストの自動生成: Omeka Sのアイテムからマニフェストを自動生成し、外部のIIIFビューアで閲覧可能にする
  2. IIIFビューアの統合: Mirador、Universal ViewerなどのIIIFビューアをOmeka Sのサイト内に組み込む
  3. 外部IIIFリソースの取り込み: 他の機関が公開しているIIIF画像をOmeka Sのメディアとして参照する

IIIF Serverモジュール

IIIF Serverモジュールは、Omeka SのアイテムからIIIF Presentation API準拠のマニフェストを自動生成するモジュールです。Daniel Berthereau氏が開発・保守しています。筆者は【Omeka Sモジュール紹介】IIIF Server / Image Server / Universal Viewerで基本的な紹介を行っています。

マニフェストの自動生成

IIIF Serverモジュールをインストールすると、各アイテムに対応するIIIFマニフェストが自動的に生成されます。

#h#httItItIpIpIsIsF:F://P/P/ryryeoeosusuerern-n-tdtdaoaotmtmiaiaoioinnnn//AiAiPiPiIiIiff32.3.20/1/{{iitteemm--iidd}}//mmaanniiffeesstt

筆者は、IIIF Presentation API v3のマニフェスト作成についてOmeka Sを用いて、IIIF Presentation API v3のマニフェストファイルを作成するで詳しく解説しています。また、IIIF Presentation API v2の出力内容についてはOmeka S IIIF ServerのIIIFマニフェスト(version 2)の出力内容で解説しています。

attributionの設定

マニフェストのattribution(帰属表示)の設定方法については【Omeka S】IIIF Serverモジュールにおけるattributionの設定方法で解説しています。

独自識別子の設定

マニフェストのURLに使用する識別子をカスタマイズする方法については【Omeka S】IIIF Serverモジュールにおける独自識別子の設定方法で解説しています。

表示方向の指定

日本の書籍や巻物などの右開き資料に対して、表示方向(viewingDirection)を指定する方法についてはOmeka SのIIIF Serverモジュールで、表示方向を指定するで解説しています。

目次(Structure/Range)の記述

階層構造を持つ目次の記述方法について、筆者は複数の記事で解説しています。

Image APIを使用しない設定

IIIF Serverモジュールで、Image APIを使用せずにPresentation APIのマニフェストのみを生成する方法について【Omeka S モジュール】IIIF ServerモジュールでImage APIを使用しない方法で解説しています。また、この機能の開発経緯については【機能開発】Omeka SのIIIF ServerモジュールにおけるImage APIを使用しない設定の追加もご覧ください。

IIIFコレクションの生成

アイテムセットに対するIIIF Collectionマニフェストの生成についてはOmeka S IIIF Serverモジュールを用いたIIIFコレクションの生成で解説しています。

不具合への対応

IIIF Serverモジュールの不具合に遭遇した場合の対応については以下の記事が参考になります。

ImageServerモジュール

ImageServerモジュールは、Omeka Sにアップロードされた画像をIIIF Image API準拠で配信する機能を提供します。筆者はOmeka SのImage Serverの設定についてで設定方法を解説しています。

動的タイル画像生成における画像サイズの上限設定についてはOmeka S Image Serverモジュールの動的タイル画像生成における画像サイズの上限設定についてで解説しています。

CORSエラーへの対応

IIIF Serverモジュール使用時にCORSエラーが発生する場合があります。この問題については以下の記事で対処法を解説しています。

IIIFビューアの統合

IIIF Viewersモジュール

複数のIIIFビューアを設置するためのIIIF Viewersモジュールについて、【Omeka S】IIIF対応の複数ビューアを設置する「IIIF Viewers」モジュールの使い方で解説しています。モジュールの更新についてはOmeka SのモジュールIIIF Viewersの更新および【Omeka Sモジュール開発】IIIF Viewersの更新で紹介しています。

Omeka Sで利用可能なIIIFビューアの全体像については【Omeka S モジュール紹介】Omeka Sで利用可能なIIIF対応ビューアで一覧を紹介しています。

Miradorビューア

Miradorの使い方についてはOmeka S Mirador モジュールの使い方で解説しています。Mirador 3でPresentation API v2のマニフェストが表示できない場合の対処例についてはMirador 3でPresentation API v2のマニフェストが表示できない時の対処例をご覧ください。

IiifPresentationモジュール

IIIF Presentation APIの追加機能を提供するIiifPresentationモジュールについて、【Omeka S モジュール紹介】IiifPresentation:IIIF Presentation APIの追加で紹介しています。

IIIF検索

IIIF Searchモジュール

IIIF Content Search APIに対応するモジュールについて、【Omeka S モジュール紹介】IIIF Searchモジュールで解説しています。モジュールの改修については【Omeka S モジュール改修】IIIF Searchモジュールもご覧ください。

また、IIIFマニフェストにIIIF Content Search APIのURIを追加するモジュールを開発した経緯については【Omeka S モジュール開発】IIIFマニフェストにIIIF Content Search APIのURIを追加するモジュールを開発しました。で紹介しています。

動画とIIIF

Omeka Sで動画をIIIF対応で公開する方法について、Omeka Sで動画を公開するで解説しています。Chromeでサイズが大きい動画が再生できない場合の対処法についてはChromeでサイズが大きい動画が再生できないで紹介しています。

3DモデルとIIIF

3Dモデルの公開についてはOmeka Sで3Dモデルを公開するで解説しています。PLYファイルがIIIFマニフェストに出力されない問題についてはOmeka SのIIIF Serverモジュールで、PLYファイルがIIIFマニフェストのitemsに出力されない問題の調査で調査結果を報告しています。

外部IIIFリソースの取り込み

Omeka Sでは、他の機関が公開しているIIIF画像を自分のコレクションに取り込むことができます。Omeka SでIIIF画像をメディアとして登録する方法で詳しい手順を解説しています。

まとめ

本章では、Omeka SにおけるIIIF連携の全体像を解説しました。IIIF ServerモジュールとImageServerモジュールによるマニフェストの自動生成、各種ビューアの統合、検索機能、動画・3Dモデル対応など、多様な連携パターンを紹介しました。

IIIF対応を行うことで、Omeka Sのデジタルコレクションは国際的な相互運用性を獲得し、他のIIIF対応システムとのシームレスな連携が可能になります。

次章では、Omeka SのREST APIを活用した外部システム連携について解説します。

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